皮内鍼(貼付鍼)・吸角カッピング治療について
皮内鍼について
「皮内鍼治療」は、通常の皮下組織まで針先を届ける治療と違い、ごく小さな特殊な形をした鍼を皮膚表面に対しほぼ平行に、透けて見えるくらいに薄く・浅く刺入して絆創膏で固定します。
これを数日間にわたって留めることで、軽微な刺激を長期間持続的に与え、患部の消炎・鎮痛効果を期待する治療です(厳密には、もっと多面的な効果もありますが)。簡単にいえば、普通の刺鍼をぐーっと押し込む「指圧」とすれば、皮内鍼は「皮膚表面を軽くさすってあげるような優しい刺激」を長い期間与え続けるものです。
からだの中に自然と入っていくことは絶対にありませんのでご安心ください。
装着期間としては大体1週間くらいを目安にしていますが、それ以上つけていても害になることはありません。
ただ、人体の方で刺激に対する「慣れ」が起こるため、この期間を超えて装着していても効果が薄くなることが
予想されます。帰宅後、絆創膏部がチクチクして不快なときは、ご自分で剥がしていただいて結構です。「皮内鍼」は装着をしていることを忘れてしまうほど無感覚です。
皮内鍼をつけている間もお風呂に普通に入っていただいて結構ですし、運動も行っていただいて差し支えありません。入浴時は絆創膏部はゴシゴシと洗わず、手でやさしくなでるように洗ってあげてください。ゴシゴシしてしまうと勢いで絆創膏が剥がれてしまうこともありますので。
※絆創膏が剥がれたら針も一緒に剥がれるようになっていますのでご心配はいりません。
まれに絆創膏部が痒くなる方がいらっしゃいます。絆創膏の粘着剤によるものと思われますので、もし痒みを感じるようなことがあればすみやかに剥がしてください。我慢してつけ続けるとカブれてしまうことがあります。
ご不明・ご心配な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
吸角(カッピング)治療について
当院では血液循環を促進するうえで、必要に応じてカッピング(吸角、吸玉治療ともいわれています)を行うことがあります。
これは、滞っている血液の存在を疑われる部位の皮膚表面にカップを置き、専用の装置を用いてカップ内に真空状態をつくり、経皮的に吸引をかけて循環の改善を求める方法です(主に頚部、背部、腰部に用いられます)。
出血はしませんが、血流の滞りが多かったところほど、皮膚表面に赤色や紫色の着色をみます。
大体1週間~10日ほどで着色部はきれいに吸収されて元に戻りますが、美容上困るという方は治療者にその旨お伝えください。
この治療は、よくアスリートの方がトレーニング後のボディケアとして、疲労を残さないために行う治療のひとつとしてよく行われています。
以前、ハンマー投げ現役時の室伏選手がこの治療をされているのを、特集番組の中で紹介されていました。